性と髪型
一人の人物の髪型にフォーカスした連作「AKIRA」、
2月は11月のセリフ「冬だけの楽しみを叶えるには…」に対応した髪型と内容に。
ジェンダーに関する問題が日本でも大きく取り上げられている今、奇しくも今作に込めているのもジェンダー問題。
というか今月だけでなく「AKIRA」という作品自体がそう。
AKIRAは毎回リップもネイルもチークの色も変えているし、睫毛もしっかりカールさせて「化粧」をしてる。
だからって性別が何なのか、AKIRAも私も意図して明言していない。
作者視点では、名前も服も体格も言葉遣いも、見る人が無意識に性別を固定して認識してしまう要素は抑え、
AKIRAの趣向や思考だけを全面に出すようにしている。
化粧をしているから「女っぽい」?、でも体つきは「どっちかわからない」?
「服装はどっち寄り?このジュエリーはやっぱり女もの?
着物の着方が女だよね?でも佇まいは何だか…」
正直、どっちでもいい。
AKIRAはAKIRAだ。
それ以上の説明を、性別の違いが影響し得ないはずの場で必要とするのは、
私たちが性別による固定観念に縛られているからじゃないか。
性別だけじゃない。
多種多様な違いをカテゴライズして一元化し、
各々の性質を見ることなく所属するカテゴリー基準でその人を判断しようとしてしまう、
そこに何の疑問も持たないことが、固定観念の恐さだと思う。
髪型に、禁止も許可もなくていい。
そのジェンダーに関する部分を、「AKIRA」の1年を通して伝えたい。