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わざわざ目立つ場所で無邪気に飛び出す一部の髪、
短い毛やクセ毛が立ちやすいのは仕方ないとはいえ、頭のてっぺんや表面でゆらゆらしているとどうにも気になるもの。
だからと言って、日常生活において毎日髪1本まで神経を尖らせるのは消耗戦になりそうで、完全になくすことを目標にするのは気が引ける…。
そこで、「気になる!」という脅迫的意識から離れる程度に対応できないか、短期的または長期的な視点で目立たなくする方法についてまとめました。

なぜ立つの?飛び出るの?まずは知ることから

彼を知り、己を知れば…ということで、まずは飛び出したり立ち上がったりしている一部の毛、
その特徴と要因についてざざっと簡単に「長さ」に着目して2つに分類してみます。

1・短く、自立している毛
くせの有無は問わず、ひとりでに立つ短い毛、いわゆるアホ毛。
新しく生えてきたもので、ほとんど健康。
大部分は他の髪の重みで倒れているが、分け目あたりで立ち上がるので気になる。

【主な要因】

  • 単純に短いこと
  • 短さゆえにケアが行き届かず、摩擦や乾燥に晒されやすいなど

2・自立するほどは短くなく、一応倒れている毛
倒れる程度の長さがあるけど、全体のシルエットから一部はみ出したり飛び出したりしている。
「浮き毛」と呼ばれる。
シルエットの表面で、ふわふわ・もわもわしているため気になる。

【主な要因】

  • 後天的なクセ
    • 熱・摩擦・薬品・UVなどによるダメージの蓄積
    • スタイリング剤などの洗い残しの蓄積
    • 毛穴の変形
  • 切れている
    • 成長過程でダメージを負って断毛した

これらの要因が複数重なり、成長過程の髪が不均一にねじれたりうねったりすることで、全体に馴染まず飛び出しやすくなる。
アホ毛がダメージを負って成長した姿。
(元は生まれつきのくせでも、上記のような要因が重なって更にくせを強めている可能性も)

アホ毛と浮き毛、どう対応する?

髪も肌と同じく、事前のケア・事後のケアの両方が重要です。
先ほど挙げた要因に対して、
「落とす・補う・守る」のサイクルがバランス良く成立すれば、アホ毛も浮き毛も少なく抑えられます。
効果が出るまで試行錯誤な長期戦ですが、根本にアプローチすることで、事後に原因も分からずいたちごっこをするよりは安定感が見込めます。
長期対策を継続しつつ、どうしても気になる部分はその時々に対処する、考え方はスキンケアと似ていますね。

今すぐできる短期対策

自然に綺麗に仕上げるために、少しだけ手間をかけてやってみましょう。

  • アホ毛:スプレーやワックスを使って、長い毛とくっつける
  • 浮き毛:ブローやアイロンでクセを伸ばす

アホ毛と長い髪を、スプレーでくっつける方法2種

【用意するもの】
スプレー:ガチガチに固めるもの以外
クシ:歯(髪をとかす部分)が密すぎず荒すぎないもの。柄(持ち手部分)が細いとなおいい。

【方法】
ABどちらでも、やりやすい方法でお試しください。

A.クシの歯にさっとスプレーを吹きかけて、アホ毛と他の髪を一緒に5秒ほどかけてとかす。
▷メリット:スプレー液の付いた歯に髪を通すことで糊代が増え、確実に狙い撃ちできる。
▷難点:時間をかけ過ぎたり何度も繰り返したりするとクシの跡がつく。
B.クシの柄(持ち手部分)でアホ毛を寝かせ、上からスプレーを広く薄く吹きかける。
▷メリット:慣れればAより自然な仕上がり。
▷難点:力を入れて抑えると表面に柄の跡がつく。

※手っ取り早く何とかしたくても、以下のような方法はおすすめできません。

  • アホ毛をドライヤーの風で寝かせようとする
    時間がかかりやすく、ドライヤーの熱により頭皮とアホ毛が一層乾燥してしまう。
    また、長い毛のほうが寝やすいので、余計にアホ毛とのコントラストが強まる。
  • アホ毛をオイルで寝かせようとする
    スプレーやワックスのような糊の働きをオイルで実現させるには、重めの質感と量が必要。
    けれど頭皮近くが毛先よりもテカテカしていると、洗っていないような不衛生な印象に。
    ウェット質感で全体を仕上げるとしても、アホ毛にはスプレーやワックスで個別対応が吉。

長期対策の構えは「落とす・補う・守る」のサイクル

浮き毛の根本改善に取り組んで改善されるのは、「気になる」という視覚的な問題だけでなくて、
「全体のボリュームダウン・手触りの改善・扱いやすさ」などもあります。
整った肌が、「手触り・化粧のり・外部刺激への強さ」などを兼ね備えているように、自分に合ったヘアケア方法をつかんで続ければ、
髪に翻弄されるストレスも時間も軽くなるはず。
何でも慣れるまでは面倒ですが、習慣にしてしまえば難しいことではありません。

アホ毛と浮き毛の主な要因を裏返せば、自ずと必要なことが見えてきます。
おさらいすると、
熱・摩擦・薬品・UVなどのダメージの蓄積、
頭皮と髪にとって余分な成分や汚れの蓄積、

が主な要因で、つまりこれと反対のことをすればいいわけです。

頭皮や髪にとって余分なものを落とし、
乾燥やダメージ部分に必要なものを補い、
熱・摩擦・薬品・UVなどから守ること。

何の変哲もなく拍子抜けするかもしれませんが、
いざ日々実践するとなると案外見落としてきたことに「あ、もしかしてこれも?」と気づくことが多いです。
中には必要悪なものもあり、完全に無くすことは難しいので、興味を持って取り入れやすい部分から初めてみると無理なく続けやすいかもしれません。
ただし、「補う」よりも「落とす」を先に取り組んだ方が効果は得やすいです。
極端な例で言うと、ファンデーションが残った肌に高級保湿クリームを塗っても、クリーム本来の効果が発揮されるかは怪しいですし、蓄積した汚れと油分が混ざって更にトラブルを招きかねないからです。

無理なく少しづつ取り入れたい基本のヘアケア

「落とす・補う・守る」のサイクルに沿って、日常の中での具体的な内容と、方法・アイテムをまとめたものが以下の表です。
続くことが大切なので、まずはゆるく意識するだけでも参考にしてみてください。

落とす
内容 自宅でできる方法・アイテム
頭皮のクレンジング
シャンプーの見直し
スタイリング剤の見直し
※乾燥体質で頭皮トラブルを抱えている場合はまず皮膚科へ。

  • シャンプーでは主に頭皮を洗い、増えた泡を徐々に毛先へ
  • スタイリング剤を使用している部分はもう一度洗う
  • 落ちにくいならスタイリング剤の固さや質感をグレードダウンしてみる
  • スキャルプクレンジングオイル
  • エイジングケアのシャンプー
    (年齢に関係なく、髪に蓄積した余分な成分を除去する意図)

 

補う
内容 自宅でできる方法・アイテム
髪の水分油分の補給
頭皮とアホ毛の保湿
  • 洗い流すトリートメント(=インバストリートメント)は毛先を中心に根本以外へ満遍なく塗布
    ※前髪や後頭部など各所で「毛先」の位置が違うことを意識。ショートの場合は下を向いて逆立てるとやりやすい。
    ※頭皮兼用ではない場合、基本的に根本や頭皮には付けない
  • 頭皮の保湿剤
    (ミスト、クリーム、オイルなど形状と使用のタイミングは様々。手で頭皮に広げるうちにアホ毛も保湿される。)

 

守る
内容 自宅でできる方法・アイテム
熱から守る
  • アイロンと髪の、接触時間と頻度を下げる
    (温度に神経質になるより短時間・少回数で済ませることを意識)
  • 洗い流さないトリートメント
    (=アウトバストリートメント。ミスト、クリーム、オイルなど形状様々)
  • 低温ドライヤー
摩擦を抑える
  • シャンプー時、頭皮に爪を立てない
  • 髪の基本原則は「揉まない、擦らない、絞らない」
  • シャンプー、トリートメント、スタイリング剤を付けるとき、揉んだり擦ったり絞ったりしない
  • タオルで拭く際の力を抜く
    (タオルの吸水力に任せる)
  • ドライヤーやアイロン前には少しでもとかしておく
  • 粗歯のクシ、静電気の起きにくい材質のブラシ
  • バームやオイルなど緩いスタイリング剤
    (日中の摩擦軽減に一役)
薬品から守る
  • セルフでの薬品施術(カラー、パーマ、ストレートなど)を控える
  • ケミカルに詳しい美容師に依頼
    (髪の状態を考慮して薬品と方法を選択してくれる)
  • 薬品施術されたスタイルに特化した、シャンプーやトリートメント
    (不要な成分を除去し必要な成分を補給できる。施術によるダメージ軽減とスタイル長持ちに一役)
UVから守る
  • UV防止剤
    (スタイリングを兼ねているものやUV防止機能だけのものなど様々)

まとめ・ヘアケア継続の、おまけ効果

アホ毛と浮き毛を抑えることに必要なのは、特別な方法ではなく、ご自宅でもできるヘアケアの基本とも言えるもの。
だからこそ「気になる部分が視覚的に落ち着く」こと以外にも、得るものがたくさんあります。
例えば、

  • 頭皮の余分な皮脂が落ち着く
    • 頭皮の臭いや痒みが軽減
    • 根本からふんわりし、アホ毛とのコントラストが薄れる
  • 頭皮と髪の余分な成分や汚れの除去、ダメージ補修
    • 後天的なクセの改善
    • 髪型全体の意図しない膨らみが落ち着く
    • 引っ掛かり、手触り、静電気などが改善
    • 栄養が入りやすくなる
    • 水分保持力が上がり弾力のある丈夫な髪に
    • スタイリングしやすくなる
    • カラーやパーマやストレートなどの選択肢が増える

これらが「落とす・補う・守る」のサイクルで作用しあって、更に好循環につながっていきます。

ヘアケアの基本全体像としてたくさんお伝えしましたが、まずは「肌にしないことは髪にもしない」くらいの大雑把な認識でいいので、毎日の中で少し意識してみてください。
アホ毛や浮き毛を0にすること、美しくあること、完璧であることを目指す必要はなくて、
小さく取り組んで小さく成果を感じて、それが楽しく無理なく続いた先に「あれ、そういえば調子いいかも?」と思い出すくらいの取り組みでも充分です。

肌が整っていると少し気分が上がるように、髪に関心を持ってケアをすることは自分を労わることでもあり、
それはアホ毛や浮き毛を0にするより価値のあることだと思います。

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