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「あってもいいけどなくてもいい」を削ぎ落として思う、美容師の本分

自分で自分の髪を切ったのは、前髪を整えたり傷んだ部分を取り除いたりする応急処置を除けば、たぶん人生で4度か5度か。一度目は思春期真っ只中に観た映画、女優メグ・ライアンの髪型が可愛くて、「私の髪でマチルダボブは無理でもこれなら」と突発的に文房具ハサミでロングをばっさり切り落とした。その数時間後にはすぐに美容室...

マンネリ在宅身じまい処方箋

外出しなくなったり誰かに会う目的がなくなったりしたときに、じわじわと気力を蝕むものの一つとして「自分自身への関心の薄れ」は意外と大きい。髪も化粧も服も、「なんでもいいやー」が何日も続くと、そのゆるさからの精神的脱却もリハビリも一苦労する。厄介なのは最初はほんの些細な「これでいいや」から始まるのに、その蓄積が...

人生の余白に何を考え何をするか

4月から入社予定だった代官山のサロン、内定を辞退しました。震える声を抑えチャンスを頂いた感謝を伝えるほんの3分に辿り着くまで、あらゆる感情と格闘し、ご挨拶を終えた後は喪失感で真っ白だった。 昨年、心身を壊しながらやっとの思いで掴んだ新しい場所。業界内でも屈指の安定した会社。「もう安心だ。これからじっくり仕事...

 「暮らしを整える」の本質

キャッチフレーズ化しつつある暮らしに関わる表現、耳にタコというかなんだかもうお腹いっぱいな気もするが、まとまった時間が取れる良い機会にある私も、例に漏れず身辺のあらゆる情報・物・事柄を整理している。 それはポケットのゴミを捨てるような一瞬で終わるものや使ったら元に戻すといった日々のルーティンとは別で、向き合...

31cm、ゴミとするか医療用ウィッグにするか

2018年6月37㎝169g 束にスッと入り込む優しい音と感触が、なかなか手放せずにいた3年分の感情との穏やかな別れを肯定してくれているようだった。1束1束手渡されるそれの意外な重さにまず驚きながら、自分の体と繋がっていたついさっきまでは時に煩わしささえあったものに、離れてからのほうがなぜだか優しい気持ちで...

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