人生の余白に何を考え何をするか
4月から入社予定だった代官山のサロン、内定を辞退しました。
震える声を抑えチャンスを頂いた感謝を伝えるほんの3分に辿り着くまで、あらゆる感情と格闘し、ご挨拶を終えた後は喪失感で真っ白だった。
昨年、心身を壊しながらやっとの思いで掴んだ新しい場所。業界内でも屈指の安定した会社。
「もう安心だ。これからじっくり仕事と大切なことを両立させ、やりたいことや大切な人には迷わず投資して、誰に心配をかけることなくやっていける。」
そう思っていた未来を自分の手で白紙に戻すなんて、自分でも想像していなかった。
「この春から」と待っていてくださった方には、期待を裏切る勝手を、平にお詫び申し上げます。
ここから先、何をして生きていくかも決まっていない。
美容師をまたするかどうかも分からない。
ある人に相談したとき、「これは人生のリセットボタンではなくて、カセットを取り替える、そう考えればいい」と助言してくれた。
なるほど。
A面ではなくB面、はたまたRPGのカセット自体を取り替える、そういう柔軟さがこれからの私には必要なのかもしれない。
私は何を選びどう生きていきたいのか、改めて見つめ直したい。
きっとこれから世の中は、今までより顕著に個々の生き方に差が出てくる。
既にそう言われてきたことが、巷を騒がす病の影響が手伝って、経済、事業、労働、生活とどんどん個人の眼前に迫ってくる。
何でも器用にこなせる順応性の高さがあるか、或いは、とある分野で代えのない突出した能力があるか、
その両極端しかもほとんど後者しか、継続的に成果を出して生き残ることは叶わないんだろう。
どこで誰と何をすることが幸せなのか、そのために何が必要で何が不要なのか。もっと日常的には、あらゆる意思決定時に何を選び何を断つのか。
鈍感なままではぬるま湯の蛙として知らぬ間に淘汰されていく。
自身の意思決定と行動の蓄積が、コスパ最強の投資で保証だと思う。
最後にもう一度、支えてくださったお客様方へ、退職に引き続き突然のお別れをお詫び申し上げます。
美容師には出会いと別れがつきものですが、この業種特有の、別れにまつわるあらゆる事由をはらんだ寂しさには、いつまでたっても慣れません。
それでも、仕事を、私にとっては生き方を改めなくてはならないタイミングだと考えています。
勝手をお詫びするばかりですが、私の商品を定価でリピートしてくださるその行動に、いつも支えられてきました。本当にありがとうございました。
新しい季節に、みなさまのご多幸をお祈り申し上げます。
追伸
このサイト、せっかく既存サービスに依存せず自分で管理できる場所を買っているため、閉じる予定は今のところはありません。
未だに希望テーマも実装していないスケルトンな家ですが、映えやウケを狙う必要性を今は特に感じず、
私の時間と同じように徐々に色づけながら、時おり思いついたように発していこうと思います。
それではまた。