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「あってもいいけどなくてもいい」を削ぎ落として思う、美容師の本分

自分で自分の髪を切ったのは、前髪を整えたり傷んだ部分を取り除いたりする応急処置を除けば、たぶん人生で4度か5度か。一度目は思春期真っ只中に観た映画、女優メグ・ライアンの髪型が可愛くて、「私の髪でマチルダボブは無理でもこれなら」と突発的に文房具ハサミでロングをばっさり切り落とした。その数時間後にはすぐに美容室...

マンネリ在宅身じまい処方箋

外出しなくなったり誰かに会う目的がなくなったりしたときに、じわじわと気力を蝕むものの一つとして「自分自身への関心の薄れ」は意外と大きい。髪も化粧も服も、「なんでもいいやー」が何日も続くと、そのゆるさからの精神的脱却もリハビリも一苦労する。厄介なのは最初はほんの些細な「これでいいや」から始まるのに、その蓄積が...

人生の余白に何を考え何をするか

4月から入社予定だった代官山のサロン、内定を辞退しました。震える声を抑えチャンスを頂いた感謝を伝えるほんの3分に辿り着くまで、あらゆる感情と格闘し、ご挨拶を終えた後は喪失感で真っ白だった。 昨年、心身を壊しながらやっとの思いで掴んだ新しい場所。業界内でも屈指の安定した会社。「もう安心だ。これからじっくり仕事...

性とファッション

冬が好きな理由の一つとして、外見からの性別判断を曖昧にできる、というのは結構大きい。女らしく男らしくと刷り込まれた価値観が無意識レベルで働いて、「女のくせに、男のくせに…」などとよくも知らない他人を個人の基準に押し込めて判定し合うような、無意識でタチの悪い無言のけなし合いに強制参加させられることもない。それ...

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