美容師を相性重視で探すならポータルサイトやSNSの外で。
こんなに情報が溢れていても、良縁に巡り会えないと嘆く声がなくならない。
仕事のパートナー、人生のパートナー、理想の暮らしを実現する物、理想の体験を叶える場所、それぞれの理想を叶える為に、あらゆる形で出逢いが提案されては消化しきれずに通り過ぎていく。
理想の為に情報を使うはずが、情報に侵されるほど期待とともに理想が高くなっていく無限ループ。
ブレさせたくない軸を決めておかないと、満足する日はずっとこない気がする。
美容師探しも然りで、長いお付き合いには技術や知識の他に相性も重要だと、私は美容師としても一顧客としても思う。
けれどSNSやポータルサイトではそれが見つかりにくい。
各マーケットが提案する物差しで美容師を画一的に評価する仕組みが、「美容師の印象ってみんな同じ」様に見せてしまうからだ。
ポータルサイトにもそれぞれキャラクターがある。
運営側が決めたターゲット層とそのターゲットに好まれるサービス。このキャラクター性によって、ライフスタイルや価値観の近いユーザーが自然と集まり、美容師はそこを利用するユーザーに対してできるだけ万人ウケするよう自身の見せ方を工夫する。
既に限定されているマーケットに対して求められていることとちぐはぐなことをしても、選ばれる可能性も評価される可能性も低く、掲載費や時間などロスになることのほうが多いからだ。
こうしてユーザー体験として「掲載している美容師がみんな同じに見える、実際に行ってみたら印象が違った」といったようなことが繰り返され、ユーザーは量を誇るマーケットの情報網で次を見つけてはまた似た感想を抱き、極論「美容師なんてみんな同じ」に至る。それでも尚理想を煽る情報に晒される続ける事で、満足することなくマーケット内で美容師迷子になる。
ユーザーや美容師がサービスを自発的に使っているように見えるが、視点を変えれば、サイトが持つキャラクター性がユーザーや美容師の在り方を統一化しているとも言える。
だからもし、誰でもいいわけではなく長く付き合える美容師を見つけたいなら、今使っているポータルサイトやSNSの外で探してみてはどうだろう。
ネットで探すのなら、一番参考になるのは自社サイトや個人のサイト。
その美容師の、万人ウケを狙っていない本来の人柄や感性やコンセプトを、他人の物差しではなく自分の物差しで見比べれば、「こういうのは苦手・興味はある・会ってみたい」など、これまでよりアンテナが敏感になるはず。
探し出すのには時間がかかるけれど、合う美容師に出会えれば、妥協ではなく躊躇いのない「おまかせ」の一言で事足りる。その快適さと、期待を超える髪で広がる日々の楽しさを、ぜひ味わってみてほしい。