仕事もプライベートも、偏愛アイテム
昔から「これ!」と思ったらしばらくずっと同じものを選ぶ傾向がある。
なんとなく選んでなんとなくの結果に「なんだか違う…」と思いながら無闇に物を増やしたくないし、物に振り回される手間もプチストレスも増やしたくない。
かと言って無難なものが好きかと言うとそうでもなく、使用感・機能性・操作性・自分の性格・使用環境・見た目・香り・コンセプトなど面倒なほど条件を通して吟味する。
その上で、スタイリング剤はやっぱりproductが好きだな、としみじみ思う。
仕事でも、プライベートでも。
使用感は言わずもがな、productで特に好きなのは、懇切丁寧あるいは押し付けがましく使用方法を限定させないことで汎用性を残しつつ、うまく使うためのさりげない誘導も感じるところ。
つまるところシンプルなその香り。
しかも何かを複雑にブレンドした「こういうイメージ」といった、個々の好みによって使用するタイミングが大きく分かれそうな香りではなくて、基本は、ラベンダー、オレンジ、それだけ。
例えばこれが、「このアイテムはこの時間にこうやって使うのが正解!飾っても使っても皆んなに一目置かれるお洒落な見た目、香りも女性らしくて…」とか言われた途端、私はさーっと興味がなくなってしまう。ありがたい反面、窮屈と言うか、とにかく好きにさせてほしい…と。
アロマの定説通りで言うと、ラベンダー、オレンジともに「心の緊張をほぐす効果がある」とされている。
私はアロマをしっかり学んでいるわけではないので薄い知識でご容赦願いたいのですが、
同じ「緊張をほぐす効果」でも、
ラベンダーは「マイナスがゼロになる」ような静的なリラックス効果、
オレンジは「ゼロがプラスになる」ような動的なリラックス効果、
と言うと何となく伝わるでしょうか。
そしてproductのヘアシャインセラムは、ラベンダーの香り。
一見ワックスらしからぬワックスは、オレンジの香り。
どちらも、あれこれと用途を限定して使用方法や使用タイミングが説明されているわけでもなく、それぞれの香りによって本当にさりげなく、適したタイミングを促しているように感じる。
もちろん、アロマの定説とは異なり、ヘアシャインセラムのラベンダーの香りで覚醒スイッチがONになるからリラックスタイムに使いたくない人もいるかもしれないし、
ワックスのオレンジの香りで気分がOFFになるからスタイリング剤として使いたくない人もいるかもしれない。
けどそれで効果が大きく逸脱するほど使用方法が限られているわけでもない。
ヘアシャインセラムをスタイリング剤代わりに使ってもいいし、ワックスをリラックスタイムに使ってもいい。
「一応こういう目的の商品だけど、他の可能性も想定して作ってあるから応用効くよ。好きに使ってね」といった感じは、わかりやすいところで例えるなら無印良品の汎用性の高さに似ているような。
その上、どの年代の誰がいつどう使うも自由でハードルが低く、使っていることで〇〇系とか〇〇らしいとかカテゴライズされることもない。
考え抜かれたシンプルさは、多様性を受け入れる懐の深さに繋がるのだなと思う。
ますます好き。
さて、汎用性だの多様性だのと謳っておきながらここ来て敢えて「これがオススメの使い方!」と言うのはどうにも矛盾を感じるし、水を差すようで気が進まない。
ただヘアシャインセラムに関してはコツを知っているとより楽しめると思うので少しだけ。
アウトバストリートメントとして使うにしろ、スタイリング剤のように使うにしろ、ヘアシャインセラムは使い方で大きく質感の明暗が分かれる。
自分にもお客様にも使ってきて感じるポイントは、
①髪が濡れている状態で。
②髪に直接吹きかけるのではなく、手に吹きかける。
③手のひら全体に伸ばしたものを、髪につける。
の3点。
この状態から手櫛などをしながら乾かすと、ヘアシャインセラムがより満遍なく薄く均一に広がり、ギラギラしたわざとらしさではなく自然で上品な質感になる。
髪に直接吹きかけると一箇所につけ過ぎたり、全体に吹きかけるために必要量よりも多くつけてしまいがちに。
それを乾かすと想像より重い仕上がりになり、最悪の場合乾かないなんてこともある。特に髪が細い人は量ともに要注意。
また「スタイリング剤代わり」という表現が誤解を生みそうですが、髪が乾いている状態で使うわけではないです。
あくまで「髪が濡れている状態で、手に出したものをつける」というポイントは共通。
使う量によっては「ごく自然だけどさりげなく何かをしてる」いわば「すっぴん風メイク」のような状態が作れる。
そういう意味ではもはや、ヘアシャインセラムはスタイリング剤とも呼べるものだと思う。
ちなみに私個人での使い方は、ヘアシャインセラムもワックスも、身支度をするタイミングに使う。
まだ寝ぼけた状態で寝癖を直す時、ヘアシャインセラムのラベンダーの香りに自然と深呼吸が起きて無理なく少しずつ目覚め始め、出かける直前、身支度の最後にワックスのオレンジの香りで少し気分が上がる、そういう流れが気に入ってる。
予定と気分次第では、ヘアシャインセラムだけの時もあるし、両方を重ね付けすることもある。
「今日は家で過ごしたい」と思ったら寝癖は直しても髪には何もつけないし、急な予定が入ったらワックスだけで済ませる。
ヘアシャインセラムもワックスもポイントを抑えながら量調節して、予定やコーディネートに合わせて、あるいは香りの気分に合わせて、一方だけでも両方の重ね付けでも、または髪以外でも、様々な使い方が楽しめる。
productは、持ち物も情報量も手間も気持ちもシンプルでありたい人の、頼もしい相棒だ。